めざせ!1級建築士

 はじめまして。
ただ今より 『住宅建築体験ツアー』 に出発いたします。

1級建築士を目指しているあなた・・・・・
いま新居を建てようと考えているあなた・・・・・
どうぞご一緒に。



地縄張り(じなわはり)

 きょうは北野邸(仮名)の地縄張りの日です。
出動するのはわたしと後輩の高山君、そして先輩の室井さんの三人です。
午前中は他の現場に用があったので午後からの作業になってしまいました。

まず敷地の境を示す境界杭の確認からです。
配置図とよばれる敷地と建物の位置を印した図面を頼りに境界杭を探します。

次に、その杭から杭に水糸とよばれる建築用の黄色の糸を張ります。
これで敷地の境界線がはっきりします。
通常この境界線を基準に建物の位置が決められます。

今回は北側の境界線から平行に1.5メートル離れたところが建物の北面の壁となっています。
作業はまず基準となる建物の角を1ヶ所仮設定するところから始まります。

配置図をもとに北側境界線より1.5メートル、西側境界線より1.0メートルとありますのでそこに小杭を打ち込みます。
そしてその上にトランシットと呼ばれる望遠鏡のような測量機械をセットします。
この機械で境界線と平行な建物の次の角となる点の方向を指し示し、距離を測って2番目の角の点を決定し小杭を打ち込みます。

さらにそこから90度方向にトランシットを振り向け、距離を測って3番目の点を決定します。
これで四角い建物の3つの角の位置が出た事になります。

次にトランシットを2番目の点の上にセットし直し、初めの点を覗きます。
そしてこの点から90度の角度の方向にトランシットを振り向け距離を測り4番目の角の点を決めて行きます。

以上で大まかな建物の4隅の位置が出ました。
当然実際の家は単純な四角ではなく、入り組んだ所がありますので、この大きな四角を基にして小さな角も距離と角度を出して決めて行きます。

すべての角が出たらその角を順にナイロンひもで繋げてゆけば、建物全体の位置が表れます。
これが「地縄張り」という作業です。

あまり複雑な形状の家ではなかったので、なんとか今日中に作業を終了することが出来ました。
明日はこの建物位置で良いか、じっさいにお施主さんに見てもらう日です。

わたしとしてはちょっと西側のスペースが狭い気がするのですが・・・

地縄の確認〜水盛り遣方(みずもりやりかた)

地縄の確認 

 昨日出した北野邸の建物位置(地縄)の確認を設計士の先生立合いのもと、施主である北野様にしていただきました。

設計図どおりの位置に出しましたが北側のスペースをもう少しほしいという事で、北側境界線から建物までの距離を1.5メートルから2.0メートルに変更したいとの要望があり、設計士の先生の承認もいただき変更することに・・・

気になっていた西側のスペースはこのままで良いとの事でした。

北野さんはご夫婦とお子様が女の子2人の4人家族だそうです。
ご主人は学校の先生らしくきちっとした感じの方でした。結構本なども読んで、家のことについても勉強されているようでした。

益々やり甲斐が出てきました。納得していただける家にしたいと思います。




水盛り遣方

 本日はいよいよ水盛り遣方の日です。わたしたちは通常「丁張り出し(ちょうはりだし)」と言っています。

先日お施主さんに確認してもらった位置に建物が建つように基準線と基準の高さを出す作業です。
それにしたがって土工さんや基礎屋さん、大工さんなどが作業をして行きます。

今日の作業員は地縄張りの時と同様わたしと高山君、室井さんの他に杭打ち作業をしてもらう土工の小林さんをいれて4人です。

まず先日確認していただいた地縄の最終位置に小杭を移し替え、建物全体が納まる位置より1.0メートル程広めに4方を囲うように杭を打って行きます。
杭の間隔は約1.8メートル、太さは45ミリ角程度、長さは1.2メートル位でしょうか。
杭の長さは敷地の高低差や土のやわらかさによって選定します。

杭が打ち終わったらレベルという機械で、杭に「基礎上端より何センチ上の位置」というような基準の高さを出して行きます。
そしてこの高さに合わせて貫(ぬき)という板を打ち付けて行きます。

貫が打ち終わると次は正式に決定した建物の角の1点にトランシットを据え、北側の境界線に平行で2.0メートル離れた基準線を貫の上端に出して行きます。(東面と西面)
次にトランシットを90度回転し直角方向を出し、北面と南面の貫の上端にも印をつけます。

これで建物の基準となる壁のラインが決まりました。あとはその基準の位置から東西南北各面ごとに玄関や内壁の位置などを順に測って印をして行けば作業終了です。

最後におのおの印した点に釘を打ち、水糸を張って建物の一番外回りの対角線の長さを測り、2方向の長さが同じならば建物の角が直角になっている事が確認され合格です。

あさ8時よりはじめて午後2時に本日の作業は終了でした。

根伐り(ねぎり)〜捨てコン打設

根伐り 

 今日は土工の職人さんと現地で待ち合わせて説明します。
建物の図面はすでに渡しておりますので、それに合わせて機械や道具、材料は手配してくれているはずです。

世話役さんと呼ばれる職人さんの中心になる人に説明します。
基本は高さと位置の説明。
貫の上端が基礎上端より何センチ上がりなのか、どの点が建物のどの角を示しているのか、これが最重要項目です。

あとは彼らの段取りで作業が進んで行きます。
まず貫の上の基準点に水糸を張り、その下の壁の位置に石灰でマークをし水糸をはずして掘削にかかります。
掘削の深さは貫の上端の高さから計算してレベルと尺棒を使いながらチェックして行きます。

以上が根伐りという作業です。
今日1日でほぼ根伐り完了です。

掘削穴の土もあまり崩れず、かなり良い地盤です。
基礎の支持地盤となる部分には、しっかり関東ローム層が出ていました。




基礎砕石敷き〜捨てコン打設 

 ちょっと天候が気になりましたが、なんとか雨にならずにすみました。
昨日の残りの根伐りを終わらせ、次は基礎砕石敷きです。
設計図では厚さ12センチですので、それよりも高めで敷き詰め振動機械で締め固めます。
重要な部分ですのでところどころ掘り返して厚みのチェックをします。

午前中に砕石敷きが完了したので午後から捨てコンクリート打設を行いました。
午前中に敷き固めた砕石の上に厚み5センチを目安にコンクリートを打設します。
これは次の型枠組みや型枠の墨出し作業をやり易くする為の下地づくりの意味があります。

ぎりぎり雨も降らずに作業完了です。

今回コンクリートの強度は180kg/cm2としました。捨てコンクリートなので150kg/cm2でも良いのですが、数量もあまり多くなかったのと、なるべく墨出しの為いい表面仕上げにしたかったので変更しました。

基礎墨出し〜基礎鉄筋組み

基礎墨出し 

 今日は朝から高山君と2人で基礎の墨出し作業をしました。
一昨日打った捨てコンクリートの上に基礎型枠用の位置を墨汁の入った墨つぼという道具で描いて行きます。
これを墨出しといいます。

まず水盛り遣方で出した貫の上の基準点にトランシットを据えつけ、反対側の点に合わせて方向を決めます。
それを捨てコンクリートの上に墨つぼの糸がとどく間隔でおとして印をつけて行きます。
次に直角方向の基準線も同様の方法で印をつけます。
これらの点を墨つぼでむすんで基準墨を出します。

基準墨がすべて出し切ったら、その基準墨を元に基礎ベースの幅と立上り基礎の幅をスケールで測って印をつけ墨を打ちます。
すべての基礎の位置に墨を出し切って、コーナーや開口部など複雑な所にはスプレーペイントでマーキングをして完了です。

途中ちょっとかん違いのミスがあったりして、少し時間をロスしましたが無事本日中に完了しました。




基礎鉄筋組み 

 昨日墨出し完了した所にさっそく鉄筋屋さんが入りました。

住宅の基礎は通常布基礎と呼ばれるタイプですが、形状は幅50センチ、厚み15センチ程度のベースと呼ばれる部分と幅12センチ、高さ60センチ程度の立上りと呼ばれる部分からなります。
鉄筋はこの両方に入り、両方を繋げる形状で配置されています。
最近のものは工場で加工されたものを現地で組み立てる形式が多く、作業はかなり早く済んでしまいます。

今日は2人で来て半日で終了して行きました。

今日来てくれた鉄筋屋さんは、いつもわたしの現場の時に来てくれていた、ある意味常連の顔見知りの人です。
話し上手で結構面白いことも言います。
でも、話しながらも作業の手際はすばらしく早いです。
昨日は奥さんとちょっとした喧嘩があったみたいですが・・・


ベース型枠組み〜立上り基礎墨出し

ベース型枠組み〜ベースコン打ち 

 土工さんによる基礎のベース型枠組みです。
最近の住宅は鉄板製の型枠を使いますので作業もあっという間です。

午前中にベース型枠を組み上げ、午後からベースコンクリート打設です。
コンクリートミキサー車(通称:生コン車)とポンプ車のセットで行います。
生コン車からポンプ車へ生コンを投入し、ポンプ車がゴムホースを通して現場のベースコンクリートを打つ所までコンクリートを送ります。
そこで作業員がホースを動かしながら打設し、土工の人たちが掻いたり均したりして行きます。

打設し終わると最後に土工の人達でベースの上端を丁寧に均して仕上がりです。
次の墨出しと立上り型枠組みの為になるべく滑らかな仕上げを要望しました。

土工の職人さんの中には、元左官屋さんをしていたという人がいます。
コンクリート打設後の均し作業はほぼ彼が中心です。
やはり、均しゴテの使い方は他の人と一味違います。




立上り基礎墨出し 

 今日も高山君と2人で墨出しです。
要領は先日の基礎の墨出しとほぼ同様ですが、違うところはベース幅の墨出しがもう要らない事と今度は立上りの鉄筋があるので作業がかなりやりづらいという点です。

基準墨の位置に立上り鉄筋があるので、基準墨をずらして初めから立上り基礎の幅墨の位置にして墨出しをします。
鉄筋をまたいだり、座ったりで結構足腰が疲れました。
無事本日終了です。

高山君は今23歳ですが、結構働き者というか 『まじめ』 です。
わたしが疲れた腰を叩きながらちょっと休んでいると、「先輩早く終わしましょう。雨が降ってくるとやりづらくなりますよ」とか、「その墨ちょっと薄すぎるので、もう一度打ちましょう」とか・・・
どっちが先輩なんだか・・・・・


立上り基礎型枠組み〜コンクリート打設

立上り基礎型枠組み 

 立上り基礎型枠組みも土工さんが行います。
ベース型枠と同様鉄板製です。長さ1.8メートル、幅0.6メートルあるので1枚がかなり重く結構大変です。

内側にコンクリート剥離剤を塗りながら組み立てて行きます。
すべて組み終わったら、通り芯の水糸を張り型枠の通りを真直ぐに直して、両側からつっぱり材で動かないように固定して行きます。

今日1日ではすべて終わらなかったので、明日仕上げをして午後あたりからコンクリートの打設になりそうです。

会社に帰ってから、土工の社長の所に電話して明日の作業予定の確認と打合せをしました。
午前中には型枠が組み終わると思うので、生コン打設は午後一番からにしようということで決まりました。
早速、生コンとポンプ車の手配を済ませ今日の作業終了です。




立上り基礎型枠組み〜コンクリート打設 

 午前中残っていた部分の型枠組みと通り芯の確認作業をしました。
ここが一番重要な所なので丁寧に進めました。
特に外回りの通りは重要なので、トランシットも用意して準備しました。

午後よりコンクリート打設開始。生コン車+ポンプ車の体制。土工さん4人、約2時間で打設完了でした。
その後、再度通りをチェックしました。(打設時に動いた所も出るため)

コンクリートがあまり固まり出さないうちにアンカーボルトという基礎と木材をつなげる部材を埋め込み、レベラーという材料で基礎の上端を平らにする作業をしました。

すべての作業が終了したのは午後4:30頃でした。明るいうちに終わってよかった。
雨も降りそうにないし、気温も結構高くなってきたので、このまま帰ってもだいじょうぶと判断して帰路に着きました。


型枠解体〜天端墨出し 

型枠解体 

 朝から土工さんが来て型枠の解体作業を行いました。
打設からまだ1週間なので完全には硬化していない為、ぶつけたりしないよう慎重に作業を進めてもらいました。

今日1日で解体し終わり、片付けまで完了するとの事。
会社で別の用件があったので途中で帰ってきました。

会社に戻り、大工さんとの打合せに行く為の資料作りをしました。
何ヶ所かお施主さんからの要望で変更箇所が出ていましたので、それを図面に書き加え、プリント後カラーマーカーでマーキングして、大工さん用の資料にします。
その後、工場で加工作業をしている大工さんのもとへ向かいました。

今、大工さんは上棟までの土台、柱、梁などの部材の加工をしています。
変更箇所を伝え、図面を渡し、上棟日までの段取りに支障は無いか確認しましたが、とりあえず問題無い様なので一安心でした。




天端墨出し 

 午前10:00より高山君と基礎天端の墨出しを行いました。
北面の外回りの基礎を基準にして水盛り遣方の墨もチェックしながら、微調整を行います。
(水盛り遣方の貫も月日がたってずれている可能性もある為)

通り芯より3センチずれた位置に逃げ墨として打って行きます。
この墨は大工さんが土台を敷く時に基準にするもの。

大きな基礎のずれも無く、無事午後2:30に作業終了。
帰りに大工さんの所に寄り、木材加工の進み具合を再度確認してきました。
やはり上棟日には間に合うようです。

大工さんの加工場は街中から少し離れた山の麓にあります。
最近では近所からの機械の音に対する苦情が多くて、やむなく引っ越したそうです。


埋め戻し〜防湿コンクリート打設

埋め戻し 

 今日は土工さんがユンボを持ってきて基礎廻りの埋め戻し作業です。
建物内部は外部より少し高めに土を入れます。
そして後日ビニルシートを敷きその上に防湿用のコンクリートを打つ予定です。

外回りももう不要になった水盛り遣方の杭と貫を取り除き整地します。
上棟を控え廻りの足元を良くするためです。

今日は珍しく土工の社長が直々に来ていました。
建物内部にもユンボを入れて作業をするので、基礎を壊さないよう気を遣う作業でもあり、こういう時はどうしても自分でやりたいのだそうです。
さすがに押さえる所は押さえています。

この社長にはわたしも結構お世話になりました。
学校を卒業後、建築会社に入社したての頃、何も知らないわたしに手取り足取り、時には大声で怒鳴りながら仕事を教えてくれたのもこの社長でした。




防湿コンクリート打設 

 玄関廻りの内外は砕石を敷き土間コンクリートを打つ準備をしました。

内部の床下も防湿用のビニルシートを敷き詰め、その上にコンクリートを打設します。
午前中に準備が終わり、午後から打設でした。

その前に打設高さを示すレベル出しがわたしたちの仕事です。
ちょっと忙しい作業でしたが、無事終わり打設に間に合いました。

あとは上棟の日を待つだけです。

上棟日は今のところ●月●日の予定です。日曜日ですが大安吉日でもあり、お施主さんの希望ですので、大工さんはじめその他の職方の人達にも納得して貰っています。
まあ、よくあることではあるのですが・・・・・
基礎コンクリートの打設からも約1ヶ月間あり、コンディションとしても上々です。
コンクリートは通常打設後4週間程で設計強度にかなり近づきます。